仏壇の最適な位置や向きは?仏壇に適した和室の間取りも解説

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仏壇の最適な位置や向きは?仏壇に適した和室の間取りも解説

大阪市北区にある工務店「エヌティーソリューションズ」

お仏壇を購入する方が悩みやすいのが「仏壇を安置する場所と向き」でしょう。

せっかくサイズを確認して仏壇を購入したものの、置く場所と向きが合わない…なんてことが起こりうるからです。

また、仏壇には置くのに適した場所や、場所に応じた置き方などもあります。仏壇に適さない場所に置いてしまうと、仏壇そのものに悪影響を与えてしまうことがあるのです。

せっかく仏壇を安置するのですから、仏様にも安心してもらえる場所を選びたいですよね。

「でも、仏壇のことはよく分からないし、調べることが多くて面倒そう」

という方のために、この記事では仏壇を安置するのに最適な向きや、安置する際の注意点を解説しています。

仏壇を安置するのに適した、和室の位置についても紹介しているので、これから住宅を建てる方も参考になる記事です。

仏壇に関する正しい知識を押さえて、ご自宅にあった仏壇の安置場所を考えていきましょう。

最適な仏壇の位置や向きは諸説ある

最適な仏壇の向きは、諸説あると言われています。宗派や地域によって、考え方が異なるからです。

ここで大事なのは、どの考え方が正しいのかではなく「どの考え方が合っているのか」ということ。

あなた自身の価値観はもちろん、ご自宅の状況によっては、宗派や地域通りの置き方ができない場合があります。

5つの考え方を解説しますので、ご自身の状況に合わせた向きをチョイスしてみてください。

南面北座説(なんめんほくざせつ)

仏壇の背を北にし、南に向けて安置する配置です。

直射日光が当たらず、南からの風で湿気を防ぐことが出来るため、保管の上でも最適な配置と言えるでしょう。

古代中国では、古来から権威のある人物が南向きで座る慣わしがありました。南は常に日が差しています。日が差すということは、明るいということ。このことから、縁起の良さを表す方角だとも考えられているのです。

この考えが日本に伝わり、定着したと言われています。

部屋の間取りにもよりますが、日本で最も一般的な配置方法と言えるでしょう。

本山中心説(ほんざんちゅうしんせつ)

各宗派の本山を背に、仏壇を配置する方法です。つまり、宗派や住んでいる地域によって、仏壇の位置が変わる配置と言えるでしょう。

例えば、真言宗はこの本山中心説で仏壇を配置することが多いです。真言宗の本山である、高野山を背に仏壇を置くことになります。

本山を背にするという条件があるので、採光や家相との絡みを考えると、置き場所に悩むことが多いです。

東面西座説(とうめんせいざせつ)

東面西座説では、西を背に東向きに仏壇を配置します。

この説は、インドの思想から影響を受けているものです。インドでは、太陽が昇る東を吉相としており、家の主人は東向きに座る慣わしがあります。

また、仏教の方は西に極楽浄土があると考えられています。西に向かって礼拝をするために、西を背にして仏壇を配置するようになりました。

春夏秋冬説(しゅんかしゅうとうせつ)

春夏秋冬説は、仏様が安らかに眠れる場所に仏壇を配置する考え方です。

春夏秋冬は、どれも平等に恵みをもたらしてくれる大事な季節です。方角も同じで、差はないとしています。

つまり、故人や仏壇を配置する方の意向を汲んだ配置方法と言えるでしょう。

十方浄土(じっぽうじょうど)

十方浄土も、春夏秋冬説と同じく、配置する方角を定めない考え方です。

十方とは

・東西南北

・北東・南東・北西・南西

・上下

これら10個の方向を指します。

仏様はこのすべての方向にいらっしゃる、という理由から、この考え方が生まれました。

宗派によっても仏壇の向きや置き方は異なる

先にも少し触れましたが、実は宗派によっても仏壇の向きは異なります。

絶対というわけではありません。あくまで考え方ですので、参考程度にとどめておきましょう。

天台宗・浄土宗・浄土真宗の考え方

この宗派は、西方浄土説(西を背に配置する考え方)を唱えています。

理由は、信仰対象である阿弥陀如来が、西にいると考えられているからです。

これらの宗派の方で、どう配置したら良いか分からない方は、一先ず西を背に配置してみるのも良いでしょう。

臨済宗・曹洞宗

臨済宗・曹洞宗は、北を背に南向きに仏壇を配置する考え方をとっています。

先ほど紹介した「南面北座説」とは違い、ご本尊である「お釈迦様」が南に向いて説法をしていたことが所以です。

仏壇を南面北座に配置し、ご本尊を、自分の目線・ご位牌より高く設置します。

真言宗

真言宗は、先ほど解説した通り、本山中心説をとります。

本山である高野山を背に配置しますので、あなたがお住まいの地域によって向きが異なります。

真言宗の本堂は南向きに建てられているので、南面北座説をとる場合もあるようです。

日蓮宗

日蓮宗は、仏壇を置く向きを自由としています。

ご自身で、お参りや管理のしやすい場所を選んで配置すると良いでしょう。

一般的には、南面北座か東北西座にすることが多いようです。

【定番は和室?】仏壇を置くのに適した場所

仏壇を置く場所と言えば、和室をイメージされる方も多いのではないでしょうか。

近年では住宅構造が多様化しており、一概に「仏壇=和室」ではなくなってきています。

「和室がないので、配置する場所に悩む」

という方のために、和室を含め、仏壇の安置におすすめの場所を解説します。

仏壇の配置に適さない場所も紹介しますので、合わせて参考にしてみてください。

和室

和室は直射日光を避けるように設計されており、風通しもいい部屋なので、仏壇を置くのに最適です。

日本の和室には、仏間が設けられていることがあります。仏間とは、仏壇を安置するためのスペースのこと。

最近ではスペースの都合上、設けられないことも多いようですが、仏間がある方は、そちらに仏壇を配置すると良いでしょう。

床の間の上に配置することもできます。後ほど解説しますが、床の間の向かいに配置するのはNGです。また、神棚の真下や向かいも避けた方が良いでしょう。

「和室に仏間や床の間が無い」

という方もご安心ください。もちろん、無くても配置して大丈夫です。床に置く際は、何か敷物があると畳を傷めずに済みます。

仏壇にとっては最適の空間ですから、和室がある方は是非活用していきましょう。

  

リビング

近頃は和室のない住宅も増えてきたため、リビングに置く方も多いようです。

リビングは生活の導線となっているので、お参りや管理がしやすいというメリットがあります。

時代の変化に合わせ、仏壇自体もモダンなものが販売されるようになりました。

「和室がないのでリビングに置きたい」

という方は、家族が一堂に会するリビングに、お部屋の雰囲気にぴったり合った仏壇を置いてみてはいかがでしょうか。

寝室

寝室も、仏壇の置き場所としておすすめです。

寝室は、就寝前の穏やかな時間。仏様と最も静かに向き合える場所だからです。

「寝室に置くには、仏壇が少し大きすぎる」

という方は、省スペースで安置できる「ミニ仏壇」を配置すると良いでしょう。形も装飾も、様々な種類のものが販売されています。

仏壇に足を向けて寝ることは御法度です。安置する位置に注意しましょう。

仏壇を置くのに適さない場所もある

仏壇を置く場所に厳密な決まりはありませんが、配置するのに適さない場所もあります。

例えば、次のような場所です。

・湿気が多い

・風通しが悪い

・直射日光が当たる

・お参りしづらい高い位置

仏壇は木製ですので、湿気があるとすぐに傷んでしまいます。そのため、風通しがよく、直射日光の当たりづらい和室は、仏壇を置くのに最適な場所なのです。

また、あまりに高い位置に配置するのもおすすめできません。お参りしづらくなるためです。また、災害時の安全にも関わりますから、やめておきましょう。

【仏壇と言えば和室?】仏壇を置くのに適した間取りの和室とは

仏壇の位置や向きを中心に解説してきましたが、実は和室の間取りも、仏壇の配置に関係してくることをご存知でしょうか。

多くの住宅では、和室は南や東に配置されています。南面北座や東面西座など、仏壇の向きに関する考え方にも、南や東が使われていますね。

一体それはなぜなのでしょうか。このことを知っておくと、仏壇の設置を見据えた和室作りができます。

詳しくみてみましょう。

 和室を配置するなら南東・東・南・西・南西のどれかにする

和室を配置する方は、次の方角から間取りを考えましょう。

・南東

・東

・南

・西

・南西

特に南東と東は、家相(配置による運気)が1番良くなります。南東と東は、日差しがあって明るく、風通しがいいからです。

木製の仏壇は湿気に弱いと述べました。つまり、南東・東にある和室は、仏壇にとっても優しい間取りとなります。

南や西も家相が良いですが、夏場は太陽が照りつけるので、非常に暑くなります。すだれや縁側などで直射日光を遮る工夫が必要になるでしょう。

ちなみに、和室が北側にあると、家相が悪くなります。北側は太陽が当たらず、風が通らないので、寒く湿気が発生しやすいためです。

和室を作る予定の方は、上記の方角から間取りを考えましょう。

床の間は南面北座か東面西座

床の間の向きは、南面北座か東面西座から選びましょう。

床の間は、中国から伝わったと言われています。身分の高い人物が座る場所として、一段高くした部分なので、神聖な場所なのです。

このことから、床の間は南面北座の考え方がとられています。

東面西座は、先に述べた通りです。仏教では、西を神聖な場所と考えています。

西を背に床の間を設置することで、西方浄土への畏敬の念を示し、礼拝を行うことができるのです。

床の間は仏壇を安置できる場所なので、作った床の間をそのまま仏壇の安置スペースとして活用することもできます。

家相や床の間の位置を考えて間取りを取れば、仏壇の安置場所にも迷わなくなり、仏壇にとっても優しいお部屋となります。

これから設計させる予定の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

仏壇の位置を決める際の注意点

さて、最後に仏壇の向きや位置を決める際の、注意点について解説します。

仏壇は、仏様を祀る神聖な場所です。誤った配置方法は、仏様に対する失礼に当たるばかりか、仏壇の保存状態にも悪い影響を及ぼします。

ここでは最低限のマナーを解説しますので、参考にしてみてください。

仏壇と神棚・床の間の位置関係に注意

仏壇と神棚・床の間の位置関係に注意しましょう。具体的には次の通りです。

  • 神棚・床の間の向かいに配置する
  • 神棚の真下に配置する

仏壇と神棚・床の間を向かい合うように配置すると、お参りする際に、神棚・床の間にお尻を向けることになってしまいます。

神棚・床の間は、神聖な場所です。神聖な場所にお尻を向けるのは、失礼にあたりますから、向かい側には配置しないようにしましょう。

また、神棚の真下に配置するのもNGです。神棚の真下に仏壇があると、上下が生まれてしまいます。

「構造的に配置するのが難しい…。」

と言う方は、次のように手を打ちましょう。

・小さめの仏壇を購入する

・床の間に安置する

・他の部屋に安置する

・仏壇の方角を変える

マナーを守ることも大事ですが、あまりこだわり過ぎるとストレスになってしまいます。配置が難しい場合は、柔軟に対応していきましょう。

ご本尊が目線より上になるよう配置する

仏壇の中に安置する「ご本尊」は、必ず自分の目線より高く配置します。

目線より下だと、見下ろす形になってしまうからです。

ご位牌を置く場合も同様に、ご本尊が1番高くなるように調整しましょう。

高さが合わない場合は、専用のアイテムが仏具店でも販売されています。お店の方に相談してみましょう。

直射日光や湿気が多い場所は避ける

直射日光や湿気が多い場所は、避けた方がベターです。紫外線や水気は、仏壇を急速に劣化させてしまいます。

特にキッチン付近や北側の暗い部屋などは、仏壇の安置に適さない場所です。

外部は風が当たるので問題ありませんが、引き出し部分は湿気がこもり、カビが生えやすくなってしまいます。

劣化やカビを防ぐためにも、南側のうち、直射日光が少なく風通しの良い部屋を選びましょう。和室があれば、和室に安置するのが1番です。

【まとめ】仏壇の位置や向きは考え方や間取りで変わる

ここまで、仏壇の位置や向きについて解説してきました。まとめると次のようになります。

・仏壇の位置や向きは、考え方や宗派によって異なる

・安置するのに最適な場所は、部屋が明るく風通しがいい部屋

・家相の良い和室は、仏壇にとっても良い部屋

仏壇を置く位置の中でも、和室は特に相性の良い場所と言えるでしょう。

仏間が設けられていたり、仏壇にとって非常に快適な空間だったりするからです。

また、家相の良い和室は、仏壇のみならず私たちにとっても快適な部屋になります。

これから住まいを設計される予定の方は、ぜひこの記事で解説した内容を参考にしてみてください。

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