家づくり気密性能とは?メリットとデメリットを併せて紹介

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家づくり気密性能とは?メリットとデメリットを併せて紹介

大阪市北区にある工務店「エヌティーソリューションズ」

快適に過ごせる家をつくるには、気密性能も重視したいポイントです。

とはいえ、気密性能がそもそも何か、高めるメリットが分からないという方も多いでしょう。

気密性を高めると快適に過ごしやすくなりますが、デメリットもあるのでメリット・デメリットを理解しておくことが重要です。

この記事では、気密性能の基本やメリット・デメリット、気密性の高い家づくりのポイントなどを分かりやすく解説します。

気密性能とは?

家の気密性能とは、屋外と室内の空気の出入りを少なくする性能です。

家に隙間が多いと、室内の空気は外に逃げ、屋外の空気が中に入り込むため、室温を安定させるのが難しくなります。

家の隙間をできるだけなくし気密性を高めることで、室温を快適に保ちやすくなるのです。

気密性を表すC値

気密性を示す指標としてはC値が用いられます。

C値とは「相当隙間面積」とよばれ、延床面積1平方メートルあたりに占める隙間面積を示したものです。

つまり、どれくらい隙間があるかを示した指標です。

たとえば、C値が1.0㎠/㎡なら1平方メートルあたり1平方センチメートルの隙間があるということになります。

C値は値が小さければ小さいほど、隙間が小さい=気密性が高いとなります。

ただ、C値にはいくであれば理想的や省エネ基準を満たすという明確な基準はありません。

ちなみに、断熱性を示す基準であるUA値については地域ごとに国が定める省エネ基準があります。

しかし、C値は2009年の省エネ法改正に伴い基準値の項目が削除されたため、現在は明確な基準はないのです。

なお、ハウスメーカーによって基準は異なりますが、高気密住宅や高性能住宅と謳われる家は、C値1.0未満が一般的です。

断熱性との違い

断熱性とは、屋外と室内の熱の出入りを遮断する性能です。

外の温度は屋根や外壁・窓を伝って室温に影響します。

断熱性を高めることで、室内が外気の影響を受けにくくなり、快適な室温を保ちやすくなるのです。

断熱性、気密性ともに室内を快適に保つ性能ですが、断熱性が熱の移動を断つ性能であるのに対し、気密性は空気の移動を防ぐ性能であるという点が異なります。

ただ、断熱性は気密性にも左右されるものです。

たとえば、どんなに断熱性を高めても家に隙間が多ければ効果的に断熱できません。

そのため、高断熱の家を検討する場合は、気密性もあわせて高めることが重要になってくるのです。

気密性を高めるメリット

気密性を高めるメリットは以下の5つです。

  • 快適な室温を保てる
  • 光熱費の削減につながる
  • 遮音性が高くなる
  • 汚染物質の侵入を防げる
  • 結露やカビが発生しにくくなる

快適な室温を保てる

気密性を高めることで、室温を一定に保ちやすくなります。

夏の暑い空気が室内に入り込む、冬は暖かい空気が室内から逃げるのを防げるので、夏涼しく冬暖かい室内の実現が可能です。

また、各部屋の室温を一定に保ちやすくなるため、冬場のヒートショックを防げるというメリットもあります。

光熱費の削減につながる

気密性の高い家は空気の出入りが少なくなるので、室内は外の空気の影響を受けにくく、室温は外に逃げにくくなります。

つまり、冷暖房で調節した空気が外に逃げにくくなるので、冷暖房効率がよくなるのです。

過剰な冷暖房が必要なくなるため、光熱費の削減にもつながります。

とくに、近年は光熱費も高くなっているので冷暖房効率がよくなるのは、経済的にも大きなメリットとなるでしょう。

遮音性が高くなる

空気の出入りを抑えることで、空気の中を伝わる音の出入りも防ぎます。

気密性が高いと遮音性も高くなるため、外の騒音が室内に伝わりにくく静かな環境で生活しやすくなるのです。

反対に、家の中の音も外に漏れにくくなるので、子どもが走る回る音が心配といった子育て世帯でも安心して暮らしやすくなるでしょう。

汚染物質の侵入を防げる

気密性を高めることで空気の出入りを防ぐとともに、外の汚染物質の侵入も防げます。

たとえば、花粉やPM2.5、外気中のホコリといった物質が室内に侵入しにくくなるので、アレルギーやぜんそくの原因を抑えることにもつながります。

小さい子供や高齢者、花粉症の人がいる家庭にとっては、健康面でも大きなメリットとなるでしょう。

結露やカビが発生しにくくなる

結露は、室内の暖かい空気が外の空気で冷やされた窓に触れると発生します。

また、結露で発生した水滴を放置しているとカビの発生にもつながります。

さらに、結露やカビを放置していると、家の劣化が進みやすくなるだけでなく、カビによる健康被害の恐れもあるでしょう。

気密性を高めると外気の影響を受けにくくなるので、結露やカビが発生しにくくなり家の劣化お抑えやすくなるのです。

気密性を高めるデメリット

気密性を高めることにはデメリットもあるので、デメリットも押さえておくことが重要です。

デメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 建築コストが高くなりやすい
  • 換気不足で空気がこもりやすい
  • 内部結露が発生する恐れがある

建築コストが高くなりやすい

気密性を高めた家で、高めていない家に比べて建築コストは高くなりがちです。

気密性を高めるには、性能の高い建材の利用や換気システムの導入、高い施行技術などが必要となり、建築費もその分高くなってしまうのです。

ただし、気密性を高めた家は、初期費用は高くても光熱費が削減されることでランニングコストが安くなりトータルの費用は軽減される可能性があります。

そのため、気密性の高い家を検討する場合は、初期費用だけでなくトータルの費用を考慮して費用と性能のバランスを検討することが大切です。

換気不足で空気がこもりやすい

気密性が高いと室内の空気も外に逃げにくくなるため、換気が不足すると室内の空気や臭いがこもりやすくなります。

キッチンなどの臭いが気になるだけでなく、空気がこもることでハウスダストの排出ができずにシックハウス症候群など健康被害のリスクも高まりやすくなります。

また、外からの湿気も入りにくくなるので室内が乾燥しやすい点にも注意が必要です。

ただし、現在は新築住宅への24時間換気システムの導入が義務付けられているため、空気のこもりを過度に心配する必要はないでしょう。

内部結露が発生する恐れがある

気密性が高い家は、換気が不足し空気がこもったり、断熱材に隙間が生じたりすることで内部結露発生のリスクがある点にも注意が必要です。

内部結露とは、壁の内部や天井裏などに発生する結露のことをいいます。

断熱材の隙間に空気が入り込み壁や柱との温度差によって生じるケースがあります。

内部結露は目に見えない部分で発生するため対処が遅れ、気づいたらカビだらけ、劣化が進んでいたとなりかねません。

内部結露を防ぐには、断熱材を隙間なく充填したうえで防湿フォルムなどで施工することが重要です。

また、24時間換気システムが適切に導入されていれば、内部結露のリスクを減少することができます。

気密性の高い家をつくるポイント

気密性の高い家はどうやってつくればいいのでしょうか。

ここでは、気密性の高い家をつくるポイントとして以下の3つを解説します。

  • 性能の高い部材を選ぶ
  • 断熱性とセットで検討する
  • 高気密の家に強い住宅会社を選ぶ

性能の高い部材を選ぶ

気密性を高めるには、構造や選ぶ部材が重要になってきます。

気密性を高められる部材としては、以下のようなものがあります。

  • 気密シート
  • 気密テープ
  • 気密パッキン
  • 気密性の高い窓材
  • 性能の高い断熱材

気密性を高めるには断熱材の性能も重要になってきます。

性能の高い断熱材を使用するとともに、気密シートや気密テープなどで断熱材の隙間を埋める施工が重要です。

また、窓やドアなどの開口部は空気の大きな出入り口となるので、窓材などの選び方も気密性に関わってきます。

樹脂フレームや複層ガラスなど断熱性・気密性を高めやすい種類を選ぶとともに、設置数や位置なども慎重に決めることが大切です。

ただし、性能のよい部材はその分コストも高くなります。

建築コストとのバランスも考慮しながら適切な部材を選ぶようにしましょう。

断熱性とセットで検討する

前述のとおり、室内を快適に過ごしやすくするためには気密性と断熱性を分けて考えるのではなく、両方をセットで高めることが重要です。

どちらか一方を高めても、どちらかが機能していなければ性能の効率は悪くなります。

両方を高めることで効率よく性能を高めることができるでしょう。

また、空気がこもりやすいという高気密のデメリットを解消するためにも適切な換気システムを導入することが欠かせません。

気密性・断熱性・換気をセットで考えることで、人にも家にも快適で健康的な住環境が実現できます。

高気密の家に強い住宅会社を選ぶ

気密性の高さは、施工技術にも大きく左右されます。

どんなに優れた部材を使用していても、不適切な施工で隙間が生じていては意味がないだけでなく、内部結露などのリスクも高まります。

気密性の高い家を実現するには、隙間を最小限に抑えられる丁寧で適切な施工ができる技術のある住宅会社を選ぶことが重要です。

ノウハウのある住宅会社であれば、適切な部材や間取りなどのアドバイスを受けることもできるでしょう。

住宅会社を選ぶ際には、高気密・高断熱住宅の施工実績や住宅会社が取り入れている気密測定の方法なども比較して検討することが大切です。

まとめ

ここまで、気密性能の基本や高めるメリット・デメリット、高めるポイントをお伝えしました。

気密性の高い家にすることで、年間を通して快適な室内を実現できるだけでなく、経済面・健康面にもメリットが生まれます。

ただし、建築コストは高くなりやすいので、トータルの費用や予算と性能とのバランスを考慮して検討することが大切です。

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