一家だんらんの場として家の中心となるリビングは新築時にこだわりたいところです。
とはいえ、何をどうやって決めればいいのか分からないという方もいるでしょう。
快適に過ごせるリビングの間取りを決める際には、押さえておきたいポイントがいくつかあります。
この記事では、快適なリビングにするための広さや間取りのポイント、失敗例や後悔しないコツ、おしゃれにするポイントなど分かりやすく解説します。
Contents
リビングの広さや間取りを決める5つのポイント
新築時にリビングを考える際、広さや間取りの基準をあらかじめ決めておくと快適なリビングをスムーズに決めやすくなります。
ここでは、リビングの広さや間取りの決めるポイントをみていきましょう。
家族の人数にあわせた広さにする
4人家族を想定した場合、一般的なLDKの広さは16~20畳とされています。
たとえば、16畳ならキッチン5畳、リビングとダイニングでそれぞれ5.5畳ずつという間取りが検討できます。
リビングが5.5畳確保できれば、テレビ台と3人掛けソファ、テーブルを設置してもスムーズな移動が可能です。
余裕を持ったスペースにしたいなら、LDK18~20畳を目安にすると広々とした空間が取りやすくなります。
ただし、必要な広さは家族構成やライフスタイルによっても異なるものです。
仮に、3人家族なら12畳以上、2人家族なら10畳以上あれば快適なリビングにしやすくなります。
上記を目安として家族に合った広さを取れるようにするとよいでしょう。
家具や収納スペースに必要な広さも考慮する
リビングはテレビ台やソファといった大型家具を設置するケースが一般的です。
家具のサイズや配置をあらかじめイメージしておかないと、実際に配置してみると狭いとなりかねません。
また、リビングは収納スペースを削って広くしたいと考える方も多いですが、収納がなければ生活が不便になりやすいだけなく、ものが溢れて散乱しやすくなるものです。
日用品や書類、掃除道具や季節家電など、リビングに収納したい荷物や量をあらかじめ把握して必要な収納スペースも考慮するとよいでしょう。
リビングでの過ごし方をイメージする
必要なリビングの広さや間取りは、どのようにリビングで過ごすかによって異なります。
たとえば、家族だけのくつろぎスペースにしたいのか、来客のもてなしを兼ねる場にしたいのかによっても最適な広さやレイアウトは変わってくるでしょう。
家族だけの場であっても、食事をするのか、家事や勉強をするのか、子どもを遊ばせるのかによっても間取りが異なってきます。
まずは、家族全員でどのようにリビングで過ごしたいのか話し合い、リビングの目的を明確にしましょう。
家事動線・生活動線をチェックする
リビングは家の中心として家族の行き来が多くなる場所でもあります。
とくに、朝の忙しい時間帯や家事で動くたびに家族や家具とぶつかるなどリビングの導線が悪くなると、日常生活でストレスを感じやすくなるので注意しましょう。
リビングの出入り口は広めにする、移動に邪魔にならない家具の配置にするなど導線を考慮したレイアウトが大切です。
また、リビング内だけでなくリビングから各部屋への回遊性を良くするなど、家全体の家事動線・生活動線を踏まえた間取りにすると快適に生活しやすくなります。
キッチン・ダイニングとの関係性を考慮する
リビングの間取りは、大きく次の2タイプに分かれます。
- リビングダイニング一体型
- リビングとダイニングが別になっているタイプ
さらに、リビングダイニング一体型では、キッチンも同じスペースに設けるか独立させるかの選択肢に分かれます。
リビングダイニング一体型であれば、リビングとダイニングの移動がスムーズとなり対面キッチンなども設置すれば、家族とコミュニケーションを取りやすいというメリットがあります。
しかし、キッチンや食事中も汚れや臭いがリビングにも影響するというデメリットがある点には注意が必要です。
一方、リビングとダイニングが別になっているタイプは、生活のメリハリは付けやすくなりますが、移動が不便などのデメリットが生じします。
どちらの間取りが適しているかは希望の生活スタイルによって異なるので、リビングの目的や希望の生活スタイルなどを話し合って決めるようにしましょう。
おしゃれで快適なリビングにおすすめの間取り
ここでは、おしゃれで快適なリビングを考える際に検討したい間取りをいくつか紹介していきます。
<h3>ダイニングキッチン一体型</h3>
近年人気の高い間取りが、リビングとダイニング、キッチンを1つの空間に合わせた間取りです。
それぞれの空間を1つにまとめるため、部屋を広くでき開放感ある間取りにしやすくなります。
また、料理をしながらリビングで遊ぶ子どもを見守れるなど家族のコミュニケーションがとりやすいことからファミリー世帯に人気がある間取りです。
ただし、キッチンも一体型になることで料理の臭いや汚れがリビングにつく、キッチンが汚れていると来客も目線が気になるなどのデメリットがあります。
吹抜けリビング
吹抜けとは上階の床をなくして下階とつながったひとつの空間にする間取りです。
玄関に吹抜けを設けるケースは多いですが、近年ではリビングに吹抜けを設ける間取りも増えています。
吹抜けがあることで、採光や通風を確保しやすくなるだけでなく天井が高くなり開放感を演出しやすいというメリットもあります。
隣地が近い、土地面積が広く確保できないといったケースでも、広さや明るさを取り入れやすくなります。
一方、吹き抜けがあることで冷暖房効率が悪くなりやすいので、断熱性や気密性を上げるなどの冷暖房効率を上げる工夫もあわせて検討する必要があります。
さらに、吹き抜け部分に高窓や照明を設けると、メンテナンスや掃除がしにくくなる点には注意しましょう。
リビング階段
リビング階段とは、2階への階段をリビングに設けた間取りです。
リビングに階段があることで2階に上がる際に必ずリビングを通るようになり、家族間のコミュニケーションがとりやすいというメリットがあります。
また、階段を独立して設ける必要がないのでスペースの節約にもつながります。
吹抜けと合わせるとより開放感や広さの演出になるので、検討するとよいでしょう。
しかし、リビング階段にも吹抜け同様に冷暖房効率の悪さや2階に音や臭いが伝わりやすいというデメリットがあります。
スキップフロア
スキップフロアとは、1つのフロアに高さを変えた別のフロアを設けた間取りです。
フロアの階層を上下どちらかに半階ずらした空間であり、1階と2階の間に設ける場合、中2階とも呼ばれます。
一定の条件を満たしたスキップフロアは延床面積に加算されないため、限られた建築面積でも居住スペースを大きくできるというメリットがあります。
また、高さの違う階層があることで、立体感が生まれ室内のデザイン性を高められるのも魅力です。
たとえば、リモートワークのための仕事部屋、子どもの勉強スペースや遊び場としてスキップフロアを活用できます。
ただし、スキップフロアでも延べ床面積に含まれるケースもあるので、建築時には住宅会社にしっかりと相談しながら設置することが大切です。
小上がりの和室
小上がりの和室とは、リビングの一角を一段上げて畳を張ったスペースです。
畳があることで、小さい子どもを昼寝させたり遊ばしたりできるだけでなく、家事やくつろぎの場としても活用できます。
しかし、畳スペースを設ける分、リビングのスペースは狭くなります。
また、段差があることで、つまずく・落下するなどの危険性もあるので、小さい子供や高齢者のいる家庭は落下対策も検討するようにしましょう。
リビングでよくある失敗例
新築のリビングで失敗しないためには、どのような失敗例があるかを理解しておくことも重要です。
ここでは、リビングでのよくある失敗例を紹介するので、参考にしてください。
<h3>広すぎる・狭すぎる</h3>
リビングでよくある失敗が広さに関するものです。
狭いリビングはくつろげない、家具が配置できないなどで失敗しやすくなりますが、反対に広すぎでも持て余す、冷暖房効率が悪い、他の部屋が狭くなるなど失敗と感じるケースもあります。
外から丸見えになる
リビングの採光性を良くしようと大きな窓を設けたり、窓の数を大きくするケースでは、プライバシーが確保できずに失敗と感じることがあります。
外からの視線が気になると、せっかくのリビングでものんびりくつろぎにくくなります。
しかし、カーテンやブラインドを閉めっぱなしにするのも、採光性の悪さや閉塞感につながりやすいものです。
また、吹き抜け部分の高窓も、隣の家の高さによっては室内が丸見えになってしまうので注意しましょう。
プライバシーを重視したら暗くなった
外からの視線を遮るために窓を少なくした、などではプライバシーを確保できても採光性が悪くなり室内が暗くなる恐れがあります。
リビングが暗くなってしまうと、日中でも照明が必要、冬に寒くなるなどで光熱費が上がりやすくなります。
また、陽当たりの悪いリビングは室内の印象が暗くなるだけでなく、なんとなく気分も上がらないものです。
リビングで後悔しないためのポイント
新築が完成してからリビングで失敗したと感じても、リフォームなどは容易ではありません。
そのため、設計時からポイントを押さえて慎重に間取りを決めることが重要です。
ここでは、リビングで後悔しないためのポイントを紹介します。
広さのメリット・デメリットを理解する
リビングはとにかく広い方がいい、というわけではありません。
広いリビングであれば、ゆったり過ごせる、大型家具を設置しやすい、開放感がある、導線がスムーズなどのメリットはあります。
反面、必要以上に広いリビングには以下のようなデメリットがあるものです。
- 掃除が大変
- 光熱費が高くなりやすい
- 他の部屋が狭くなる恐れがある
- スペースを持て余す
なかには、狭い方が落ち着くとコンパクトなリビングを希望する方もいるでしょう。
リビングの理想的な広さは家族構成やライフスタイルなどによって異なります。
自分の家族に合った広さをリビングにすることで生活満足度を向上させやすくなるでしょう。
コンセントとスイッチの位置や数にもこだわる
リビングの間取りを決めるうえで、後回しにされやすいのでコンセントやスイッチの位置や数です。
なかには、住宅会社が提案するものをよく考えずにそのまま採用するというケースも珍しくありません。
しかし、コンセントやスイッチの位置や数は日常生活の利便性にも関わってきます。
必要な場所にコンセントがなければ、希望する家電が使えない、延長コードやタコ配線になって見た目が悪いとなる恐れがあります。
スイッチにしても、導線に合っていないと照明をつけるためにわざわざ遠くに動く必要があるなどでストレスを感じやすくなるものです。
設置する家電や生活動線を考慮して、必要な位置と数でコンセント・スイッチを設置できるようにしましょう。
窓の数や形状に注意する
窓によってリビングの雰囲気や採光性、プライバシー性、防犯性は大きく変わります。
何を重視したいのかを明確にしたうえで、必要な窓の数や形状、位置を検討するようにしましょう。
また、窓の位置を考える場合は、家具や家電の配置とセットで考えることが重要です。
窓の前に家具や家電を設置することになると、陽当たりや眺望を遮ることになってしまいます。
将来の過ごし方も考慮する
リビングの過ごし方を検討する際には、今だけでなく将来どのように使うのかも考慮することが大切です。
たとえば、子どもが小さいうちは小上がりの和室を使っていても、成長すれば活用しないスペースになる恐れもあるでしょう。
家族のライフスタイルは成長によって変わってくるものです。
今の暮らしと将来の暮らしの両方をイメージすることで、理想のリビングにしやすくなります。
おしゃれなリビングにするコツ
快適性も気になるけどおしゃれなリビングにもしたいという方も多いものです。
ここでは、快適性を損なわずにおしゃれなリビングも実現するために取り入れたいポイントを紹介します。
アクセントクロスでワンポイント
アクセントクロスとは、壁紙の一部分のみ異なる色や柄を取り入れる手法です。
壁紙の一部分だけにアクセントをつけることで、シンプルなリビングでもおしゃれに演出しやすくなります。
一部分だけであれば低コストで実施でき、冒険しやすいのもメリットでしょう。
アクセントクロスを選ぶ際には、部屋全体の雰囲気やカラーを踏まえて調和しやすいものを選ぶのがポイントです。
また、アクセントクロスはあくまでアクセントなので、部屋の10~20%ほどに取り入れるとメリハリのある空間を作りやすくなります。
床材や照明にこだわる
リビングの床は大きな面積を占めるので、床材選びで部屋の印象も大きく変わってきます。
インテリアや演出したいイメージに合わせた床材を選ぶことで、統一感を生みだしやすくおしゃれさも演出できるでしょう。
床材は種類によって性質や機能性も異なるため、ライフスタイルに合わせて必要な機能性の物を選ぶのもおすすめです。
たとえば、小さい子供がいる家庭ならクッション性や質感のよい無垢材や防音性・防汚性に優れた床材などが適しているでしょう。
また、リビングは照明でも印象が変わるものです。
くつろぎたいなら電球色、勉強や仕事のためなら昼白色といったリビングの広さや過ごし方を考慮して照明の種類を選ぶとリビングで快適に過ごしやすくなります。
そのうえで、間接照明や天井から吊り下げるペンダントライトなど、アクセントになる照明も取り入れてみるとよいでしょう。
まとめ
リビングは家族で長い時間過ごす大切なスペースです。
快適に過ごせるリビングにするためには、広さや間取り、導線などさまざまな視点から考える必要があります。
まずは、家族でどんなリビングが理想的なのか話し合ってみることが大切です。
そのうえで、それぞれのポイントを押さえて決めていくと理想のリビングを実現しやすくなるでしょう。