屋根断熱のメリットとデメリットとは?採用時の注意点も詳しく解説!

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屋根断熱のメリットとデメリットとは?採用時の注意点も詳しく解説!

大阪市北区にある工務店「エヌティーソリューションズ」

「屋根断熱ってどんなメリット・デメリットがあるの?」

「注意すべき点はある?」

屋根断熱とは、屋根部分で断熱を行うことで、家屋の性能を高める工法です。断熱性能が高まるので、1年を通して快適に過ごしやすくなります。

ただ、屋根断熱といっても種類や工法は様々。適当に選んでしまうと、かえって性能を落としてしまいかねません。

「でも屋根断熱のことなんて分からない…」

という方もご安心ください。この記事では、屋根断熱のメリット・デメリットを徹底解剖!採用時の注意点も解説します。

この記事を読み終わる頃には、屋根断熱に関する基礎知識がばっちり身についているはずです。ぜひ最後までご覧ください。

屋根断熱のメリット

それでは、屋根断熱のメリットについて見てみましょう。

メリットを知っておけば、屋根断熱を採用すべきか判断しやすくなります。

3つのメリットを解説しますので、参考にしてみてください。

エネルギー効率が向上する

屋根断熱はエネルギー効率を大幅に向上させるため、冷暖房費の削減につながります。

建物全体の熱損失・熱取得の割合は、屋根が約25〜30%を占めています。断熱材を適切に配置することで、熱の流入・流出を抑え、室内温度を一定に保ちやすくなるのです。そのため、冷暖房の使用頻度が減少し、エネルギー効率が高まりやすくなります

例えば、屋根断熱を導入した家庭では、冷暖房費が年間で約20〜30%削減されるケースが多いです。年間の電気代が18万円の場合、5万円程度の節約となります。さらに、高断熱住宅ではエネルギー消費量が約50%削減されることも報告されており、高い効果を発揮することが分かっています。

屋根断熱は初期投資が必要ですが、エネルギー効率の向上による長期的な光熱費の削減効果が大きいため、長期的に見ればコスパが高いと言えるでしょう。

快適な室内環境を作り出せる

屋根断熱があれば、季節を問わず快適な室内環境を維持することができます。

屋根断熱で外気温の影響を遮断すれば、夏は涼しく、冬は暖かい…といった環境を作ることが可能です。さらに、温度差が少なくなるため、ヒートショックや熱中症のリスクも軽減され、高齢者や子どもがいる家庭では安全性が高まるのも魅力の1つ。

例えば、外気温が35℃の真夏日でも、断熱性能が高い屋根を採用した住宅では、室内温度が28℃程度に抑えられることがあります。断熱が不十分な場合は室内温度が33℃を超えることも少なくありません。

屋根断熱があれば、一年を通じて快適な温度を保つことができます。居住性を大幅に向上させたい方は、屋根断熱を取り入れると良いでしょう。

建物の寿命を延ばせる

屋根断熱は結露や温度変化による劣化を抑え、建物の寿命を延ばす効果もあります。

外気と室内に温度差があると、結露が発生しやすくなります。結露は、木材や金属部分の腐食やサビを引き起こし、建材の劣化を引き起こす為、見過ごせません。屋根断熱を取り入れれば、そのような心配はありません。断熱効果で結露の発生を防ぐため、サビやひび割れなどの被害を防ぎやすくなるのです。

断熱が不十分な屋根では、結露が発生しやすくなり、木造住宅の場合、10〜15年で構造材が腐食するリスクが高まります。適切に屋根断熱を取り入れた場合、結露が抑制されるため、30年以上にわたり構造材の劣化がほとんど見られないケースがあるほど。金属屋根の場合、サビの発生が抑えられるため、メンテナンスのコストも大幅に削減されます。

屋根断熱は、結露や温度変化による劣化を防いでくれるため、長期的な資産価値の維持にも貢献してくれるのです。

参考:経済産業省資源エネルギー庁

屋根断熱のデメリット

良いことずくめの屋根断熱ですが、もちろんデメリットもあります。

知らずに施工すると、後悔することになる可能性も…。

そうならないためにも、必ずデメリットを知っておきましょう。

初期費用が高い

屋根断熱は優れた効果を発揮しますが、初期費用が高く、導入時の負担が大きいのがデメリットです。

断熱材の種類や施工方法によってコストは異なります。中でも、外断熱工法は専門的な技術が必要なため、材料費と施工費が高額です。

専門的な技術が必要なため高額になりやすいですが、その分長期的な光熱費削減やメンテナンス費用の低減が期待できます。

以下の表は施工費用の相場です。

断熱工法使用断熱材施工費用(1㎡あたり)100㎡の屋根の場合
外断熱工法硬質ウレタンフォーム12,000〜15,000円120万〜150万円
内断熱工法グラスウール5,000〜7,000円50万〜70万円
吹き付け断熱スプレータイプ断熱材8,000〜10,000円80万〜100万円

上記はあくまで相場です。状況によって費用は異なりますので、参考程度に留めておきましょう。

施工の難易度が高い

屋根断熱は施工難易度が高く、適切な技術と経験が求められるため、施工ミスのリスクやコストの増加などが懸念されます。

断熱材の種類や施工方法によって、施工難度は大きく異なります。外断熱工法や吹き付け断熱は、専門的な知識と高い技術が必要なため、難易度は高め。断熱材の配置が不均一だったり、隙間が生じたりすると断熱効果が著しく低下し、結露や断熱性能不足に陥ります。

各工法に関する概要は次の通りです。

  • 外断熱工法:硬質ウレタンフォームの施工では、断熱材を均一に貼り付ける技術が必要。一般的な施工時間は100㎡あたり約5〜7日。
  • 吹き付け断熱:断熱材をムラなく吹き付けるには、熟練した作業員が必要。100㎡の屋根の場合、約3〜5日。
  • 内断熱工法:屋根裏に隙間なく断熱材を貼り付ける技術が必要。100㎡の屋根の場合、工期は約3〜5日。

施工ミスが発生すると、断熱効果が20〜30%低下するケースもあり、補修費用が10万円以上かかることもあります。屋根断熱の施工は高度な技術が必要な上に、ミスが断熱性能や費用に影響を及ぼすため、信頼できる業者選びが重要です。

メンテナンスの手間がかかる

屋根断熱は効果が高い反面、メンテナンスに手間がかかり、維持管理の負担が大きい点がデメリットです。

断熱材は経年劣化や外部環境の影響を受けやすく、劣化によって断熱性能が低下することがあります。特に、結露や湿気によってカビ・腐食が発生しやすいため、定期的な点検や補修が必要です。また、断熱材の種類によっては寿命が異なるため、材質に合わせたメンテナンスをしなければなりません。

代表的な3つの断熱材に絞って、メンテナンスに関する概要を見てみましょう。

  • グラスウール: 湿気を吸いやすく、10〜15年で劣化が顕著になる。交換費用は100㎡で約30万〜50万円。
  • 硬質ウレタンフォーム: 耐久性は高いものの、紫外線や結露による劣化が発生しやすい。点検費用は年間5,000〜10,000円程度。
  • 吹き付け断熱: 隙間やムラが生じると効果が低下するため、5年ごとの点検が必要になる。補修費用は約10万円以上かかる場合がある。

劣化による断熱性能の低下を防ぐためにも、定期的なメンテナンスは欠かせません。屋根断熱を取り入れる際は、長期的な維持管理コストも考慮する必要があるでしょう。

屋根断熱を採用する際の注意点

最後に、屋根断熱を採用する際の注意点を見てみましょう。

適切に施工しないと、せっかく工事をしても効果が上がらないこともあります。

快適な住環境を作るためにも、次の3のポイントには注意しておきましょう。

気候条件や建物構造の考慮する

屋根断熱を採用する際は、気候条件と建物構造を考慮することが重要です。

気候条件に応じた断熱対策を行わないと、断熱効果が十分に発揮されません。例えば、湿気の多い地域では結露が発生しやすく、木材の腐食やカビの発生につながりやすいです。また、建物構造によって適した断熱工法が異なり、効果を最大限に引き出すには構造に合った選択が必要になります。

湿度が高い地域で内断熱工法を採用する場合、防湿シートを併用し、結露防止対策を行う必要があるでしょう。一方、寒冷地では、外断熱工法を用いることで、断熱層が外気温の影響を受けにくくなり、劣化のリスクが軽減されます。木造住宅には内断熱が適しており、鉄骨造では外断熱を採用することが多いです。

屋根断熱は気候や構造に合わせた適切な選択と施工が、長期的な性能維持と建物の保護につながっていきます。

適切な断熱材を選ぶ

屋根断熱を採用する際は、断熱材の特性を理解し、適切に選ぶことが重要です。

断熱材には、熱伝導率や耐久性、防音性能、施工性などそれぞれ特徴があります。不適切な選択をすると、断熱効果を十分に発揮できず、建物の寿命や居住環境に悪影響を及ぼす可能性もあるのです。また、費用対効果も大きく異なるため、目的や環境に合った素材選びが必要になります。

先ほどの挙げた断熱材を例に、特徴を見てみましょう。

  • グラスウール: 低コストで施工性が高いが、湿気を吸収しやすいため、湿度管理が必要。熱伝導率は0.035〜0.040W/mK。
  • 硬質ウレタンフォーム: 高い断熱性能と耐久性があり、寒冷地や外断熱に適している。熱伝導率は0.022〜0.028W/mK。
  • セルロースファイバー: 防音性能が高く、リサイクル素材を使用。吸湿性があるため、防湿対策が必須。

建物の環境や使用目的に合った断熱材を選ぶことで、断熱効果を最大化し、快適な住環境を実現できます。

性能・価格・耐久性のバランス

屋根断熱を採用する際は、性能・価格・耐久性のバランスを考慮し、コストパの高い断熱材を選びたいところです。

高性能な断熱材は価格が高い傾向にありますが、長期的な耐久性や省エネ効果を考慮すると、初期費用を回収できる可能性が高いです。一方、価格が安くても耐久性が低い断熱材は、メンテナンスや交換コストが増え、結果的に総費用が高くなってしまう場合もあります。

先ほど挙げた3つの断熱材について、費用や耐久性などを見てみましょう。

  • グラスウール: 価格は1㎡あたり約1,500〜3,000円と安価で、一般住宅向け。ただし、耐久性は10〜15年程度。
  • 硬質ウレタンフォーム: 価格は1㎡あたり約3,500〜6,000円と高価だが、耐久性は30年以上。断熱性能が高いため、省エネ効果が高い。
  • セルロースファイバー: 価格は約4,000円/㎡で、防音効果と断熱性能のバランスが良いが、湿気対策が必要。

性能・価格・耐久性のバランスを見極めることで、快適性とコストの両立を図ることができます。

【まとめ】屋根断熱のメリット・デメリットを理解して適切に施工しよう

ここまで屋根断熱のメリット・デメリットなどについて見てきました。まとめると次のようになります。

  • 屋根断熱は居住性能を大きく向上させる
  • 初期費用がやや高い
  • 環境に合った適切な断熱材を選ぶ必要がある

私たちの生活環境を大きく向上させてくれる屋根断熱ですが、ただ取り入れれば良いわけではありません。

適切な選択を行わないと、かえって居住性能が下がり、メンテナンスコストだけが膨れ上がってしまいます。

「そんなことを言われても、屋根断熱のことなんて分からない…」

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